ゆうとのこと(小学校チャレンジ!篇)

難聴児の息子が地域の小学校に入学しました!親の視点からさまざまな気付きを綴ります。

小1男子の心理

スクールガードの良いところは、毎朝の子どもたちのコンディションや友だち関係などがよく見えること。くっついたり離れたりを繰り返す子、我が道を行く子、なにがなんでも連みたがる子、子どもとよりも大人とベタベタしたがる子といろいろです。安定した関係というのは子どもの精神年齢の成長と共に築かれていくような気がします。まだ幼い子どもというのは自分が世界の中心であって、他人にどう思われるかなんて気にしない。特に小1男子はまだそういう子も多く(もちろん精神年齢の高い子もいますが)単純だけど、めんどくさいな~と思うことも。

毎朝、登校グループが一緒のTくん。機嫌の良いときは「おはよう」と元気に挨拶をしてくれますが、気分の乗らない時はぷいっとそっぽを向いています。他にも友だちはいるんだし、気分にムラのある相手には積極的に近づかなければいいものを、うちの息子はいちいち「きょうは機嫌がいいかな?」と気にしています。

 

Tくんはどうして優しいときと意地悪なときがあるの?

 

たとえばどんなこと?

 

おはようって言って学校まで一緒に行くときと、無視して先に行っちゃうときとあるんだよ

 

ゆうとが何かTくんを怒らせるようなことをしたんじゃないの?

 

何もしてないよ。だって昨日は仲が良かったんだよ。でも今朝はなんか怒ってたんだよ

 

気分にムラがあるのカルシウム不足のせい?いえいえきっとTくんなりの理由があると思ったので、翌朝スクールガードの特権を生かして学校まで一緒に歩いていきました。

学校で決められた登校班というものはありません。ご近所同士で集合場所を決めて一緒に出発するだけのグループです。歩くときのルールなどはないので、走り子は走る、歩きたい子はのんびり歩くとバラバラです。それでも一応大人達は「走るなよ」とか「道に飛び出すなよ」とは声をかけます。

Tくんを観察していると、とにかく先へ先へと急ぎたがる傾向がありました。人よりも前を歩きたい、という心理、小1男子にはよくあることです。それに気づかずTくんのちょっと前を歩く息子。学校に着く頃にはどっちが前に出るかで競り合いになっていました。

門をくぐった途端に駆け出す子どもたち。え~なんで?と思って見ていると、まだ閉まっている昇降口の前に行列ができていました。よくよく観察していると、他の学年はそれほど切羽詰まった感じはありませんが、小1集団は誰が先?誰が1番?とギラギラしているではありませんか。昇降口が開いた途端、なだれ込むように入っていくのも小1です。

Tくんになったつもりで考えてみました。彼は人より前を歩きたい。きっと誰よりも先に学校へ着くことにこだわりがあるのかもしれない。彼の「一番」になりたい目標を脅かす存在がいるとすれば、今日見た感じではゆうとだった。そういえば、お母さんが「うちの子はせっかちで」と言っていたのを思い出し、ある確信が持てました。

ゆうとが帰宅後に、私の考えを話しました。

 

ゆうとは一番に学校へ行きたいと思ってる?

 

べつに思ってないよ

 

じゃあ、どうして学校に近づくと早足になったり、Tくんと競争みたいになるの?

 

わかんない、なんとなく

 

Tくんは、たぶんすごーく1番にこだわっていると思うんだよ。でもゆうとも走るから自分が1番になれないかもしれないって、ちょっと焦ったりすることもあるんだよ

 

そうだよ。いつも俺がリーダーだからって威張っているもん

 

でしょう。だからゆうとに負けるのがとっても悔しいんだよ

 

ふーん

 

だから、明日からゆうとはTくんよりも前を歩かないように、ちょっと気をつけてみてごらん。わざとTくんを1番にしてあげるんだよ。そうしたら、きっとTくんは機嫌がよくなって、優しくなるよ

 

そうなの?

 

たぶんね。Tくんが走っても、ゆうとは走らない。だって走ってころんで怪我をしたこともあったでしょう?危ないから。ゆうとは走らない。わかった?

 

わかった

 

勝ちを譲るのはかっこいいことだよ。花を持たせるってことわざもあるんだよ。

 

ふーん、わかった

 

もしも、ゆうとも1番にこだわっているなら、先をゆずってあげなさいという提案は可哀想だったかもしれません。でもこだわっていないのなら、無意識を少し意識に変えてみてもいいのかな、と思って提案しました。

さて、それから。

ゆうとは意識してなるべくTくんの真横、あるいは一歩後ろを歩くようにしていたようです。門が見えると焦って急に駆け出すTくんを追いかけることもなく、私との約束を守ってひたすらマイペースを貫いていたのは偉かったです。今までTくんを意識する余り周りが見えていなかった息子も、同じペースで歩ける友だちがいることに気が付けたのも良かったです。

Tくんはライバルがいなくなって安心したのか、ひとりで走るのに飽きたのか、ここ最近は「おい、ゆうと!一緒に歩こうぜ」とちょっと落ち着いてきました。相手にとって驚異ではなくなると関係も穏やかになるって、大人の世界もいっしょですね。

しかし、今回は原因がこんな理由で正直良かったし、的外れで無くてとりあえずほっとしました。小1男子の心理なんて、まだまだ大人の理解できる範囲でかわいいものです。しかし、これからどんどん複雑になっていく子どもたちについていけるだろうか・・・とちょっと不安。

スクールガードとしての私の持ち場は家の前の交差点。

子どもたちを一通り渡し終えて、遠ざかっていく息子の背中を見送りながら、「今日も楽しい一日になるといいね」と応援しています。