ゆうとのこと(小学校チャレンジ!篇)

難聴児の息子が地域の小学校に入学しました!親の視点からさまざまな気付きを綴ります。

梨の理由

突然の訪問者

昨夜7時頃、ピンポーンとインターホンが鳴り、息子と「誰だろう?」とモニターを覗くと知らない女性が立っていました。

通話ボタンで「はーい」と答えると「○○です」と女性。

○○???

とりあえず玄関ドアを開けて「こんばんは」と対応すると、「実家で採れた梨なんですけど、よかったら召し上がってください」と、大きな梨を3ついただきました。

この時点でまだ誰だか分かっていなかった私は、なんだかよく分からないけど「ありがとうございます」と会話を続けました。

「いつもうちの子がお世話になって、ありがとうございます」

「は・・・いいえ、いいえ。そんな、全然です。」

相手は私を知っているらしい。しかも子どもをお世話しているらしい。

「ゆうとくんはいつも元気ですね。どうしてこんなに人懐っこいんですか?たまにお話するんですが、いつもニコニコしていてかわいいですよね」

・・・ゆうとのことも知っている。

しかし未だ誰だか分からず。どなた様でしたっけ?と聞くタイミングは完全に失われ。

「頼りのないおねえちゃんでごめんね。いつもありがとうね」

そこで思い出しました。

家の横の大通りを挟んだ向かいの角のお家の奥さん!!

そうだ○○さんだった。

 

その一角は我が家の住む住宅地の中で一番最後に増設された新しい区画で、元はゲートボール場だったところ。

住宅地から飛び地のようになっているので、道路の整備などが遅れていて、アスファルトはぼこぼこ。歩道もなく、一時停止線も消えていて、横断歩道もかすれて消えそうになっていました。

それに比べて我が家の前の道路は綺麗に舗装され、路側帯も定期的に書き直されています。

なぜか飛び地というだけで、いろいろ後回しにされている一角でした。

 

子どもの少なくなった古い住宅街で、若い世代が入居してきたこの一角だけは活気があり、息子は4月からこの一角の子どもたちと一緒に集団登校をさせてもらっていたのです。

しかし、1年生の親とは知り合いになりますが、他の学年となるとなかなかお家の方と会ったり話す機会が無く、子どもは知ってるけど親の顔は知らないというのが正直なところ。

住宅地の班もゴミステーションも違うので、相手が家から出てこなかったら全然分かりません。

この梨をくださった○○さんとも話したことはなかったはず。

なんでくれたのかさっぱり分からず困りました。

 

「いつも見守りをありがとうございます。それから道路も綺麗にしてくださって、本当に助かりました」

 

道路を綺麗にしたのは私じゃないけど・・・そうか、それで。

 話は4月に戻ります

4月に初めて新区画に足を踏み入れて感じたのは、道路がボロボロだということ。

子どもたちが登校する時間帯はちょうど通勤ラッシュにぶつかり、住宅地を抜け道にする車がとても多く、しかもスピードを結構出している。歩道も路側帯もなく、子どもたちはバラバラと道路に広がって歩いていました。中央線のない道路は横断歩道を無視して渡るし、車はというと、一時停止を無視して子どもたちの列につっこんでくる有様で。

これはひどいと思いましたが、見守る親は1年生の親だけ。

どこの家の親も出てくることなく、注意する大人もいないという。

これまで、このことを問題にしてこなかったのかとスクールガードの方に聞いたら、聞いたことがないとのこと。大人の無関心にもほどがあると思い、1年生の保護者に問題定義しました。すると皆さんが「これはなんとかした方が良い」と賛同してくれたので、さっそく現場写真を撮り、地図に問題点を書き込み、警察署の交通課に相談に行きました。

そこで現状と、この先予測される危険と解決方法を話し、どのように動いたらいいかを訪ねると、町内会に動いてもらうのが一番行政に効くとアドバイスをもらったので、今度は町内会にアタックしました。ただし、いきなり私のようなペーペーが町内会の重鎮にもの申しても真剣に聞いてもらえないと思ったので、子供会に状況を説明して子供会からの要望として町内会長に訴えてもらいました。

また、スクールガードの皆さんが学校に問題定義してくださり、翌日には校長先生が視察に来ました。

校長先生に自分が作った資料を見せながら、現場の問題点を説明し、中学生も通ることを話すと、校長先生の動きも速かった。

今度は校長先生が中学校の校長先生に状況を話してくださり、連名で訴えましょうということなりました。

結果、町内会長、子供会会長、小・中学校の校長先生、PTA会長の蒼々たる連名で、行政に道路の早急な整備について要望書の提出がされました。

予算がかかることには政治力も必要だということで、学区に住む元市会議員の方にも協力を仰ぎ、行政へ猛プッシュしてもらいました。

車にも指導が必要だと思ったので、警察に一時停止違反の取り締まりをお願いすると、翌日からすぐに道路に立ってくれるようになりました。

子どもたちにも交通ルールを指導する必要があるよ、とアドバイスを受けたので、学校で交通安全教室をしてくださる婦警さんに登校時に何度か来て指導してもらうことにしました。

親の言うことは聞きませんが、婦警さんの言うことはよく聞く子どもたち。

 すると、実は警察官だという近所のパパが現れて、朝、一緒に子どもたちの見守りをしてくださるようになりました。

歩道がないからと、自腹で三角ポールを買ってくれて道路に毎朝置いてくれるようになりました。

車は警官が立っている交差点を嫌って、迂回するようになり、交通量が劇的に減りました。通る車も、一時停止を守ってくれるようになりました。

 

・・・と、ここまで1ヶ月くらいの動きです。町や人や車の様子が大きく変わりました。

 その後・・・

あとは、路側帯を書いてもらい、一時停止線と止まれの字と減速記号を道路に書いてもらい、横断歩道の線をはっきり書いてもらい、交差点の中心点も書いてもらえれば、今ある危険はだいぶ予防できるだろう、というのが皆の共通した見通しでしたが、道路の整備にはお金がかかるし、順番もあるので、早くて1年くらいかかると聞いて、長期戦だなぁ、と思っていたら、なんと翌月には道路が綺麗に整備されました。

 

時間がかかると諦めていた人たちもびっくりの早さでした。

子どもたちは綺麗に書かれた緑の路側帯を一列に並んで歩くようになりました。

道路を横切ることなく、横断歩道をちゃんと渡るようになりました。

環境が整えば、子どもたちはそれに順応する力があります。

環境を整えるのは大人の務め。考えているだけではだめ。行動しないと。

 

親子の会の活動をしていていつも思うこと。それは「行動」です。

気をつけなければいけないとしたら、自分一人でやろうとしないで、周りを巻き込むこと。そのためには、説明力と人の心を動かす言葉が必要です。

信念があれば、必ず協力してくれる人やアドバイスをくれる人が現れます。

誰の手柄とかではなく、皆がそれぞれ、自分の行動に達成感を持つことができればいいのです。

「過程」でできる人とのつながりを大切にすること。

「結果」が全てではないということも忘れないようにしたいものです。

 

これは5月の出来事で、今は問題もなく私もすっかり忘れていたのですが、梨を届けてくれた○○さんは覚えていてくれたんですね。

面識もなく、急に訪ねてこられるのにも勇気がいったと思うのですが、お気持ちが嬉しくて、美味しく梨をいただきました。本当に甘かったです。

私のこうした行動を斜めに見る人もいます。人それぞれ考え方が違って当然なので、気になりません。でも、理解してくれる人もたくさんいるということ、また分かって嬉しくなりました。

 後日談

さて、実はこの道路問題に後日談があります。

ある日ピーンポーンとインターホンが鳴り、出てみると顔見知りのスクールガードのおじさんが。

「スクールガードやってみない?」

と言われて断れるはずがありません。

自分の行動には最後まで責任を持て、という「天の声」が聞こえてきた・・・ような(笑)

それ以来、毎朝道路で旗振りしています。

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おお!描いている!

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 綺麗になりました!